12,000kNブランキングサーボプレス機

自動車車体軽量化のため、車体構造部材に「超ハイテン材料」を使用する。これにより車体構造の強化による高い衝突安全性を有し、かつ軽量化を図った車体構造部品を効率的に生産ができます。この超ハイテン材料のプレス生産を行うために、サーボ式12,000kNブランキング設備の導入を図り、軽量なフレームフロントフロアーとセンタールーフブレース部品類を生産し、燃費の向上とCO2の削減を図るものである。設備導入は完了し、従来から生産している部品での生産を進めるとともに、機械性能把握と生産効率を高める検討を進めており、新規部品受注に向けた取り組みを開始しています。


12,000kNブランキングサーボプレス機設備のレイアウト

12,000kNブランキングサーボプレス機設備は、高精度、高生産性、低騒音、省エネなどの他、超ハイテン材料等のプレス加工に関するプレス成型制御を最適に設定できる機構を有する装置です。
<主要仕様>
加圧能力(kN) 12,000
ボルスター寸法(mm) 3,500×2,200
ストローク数spm 1~60
ボルスター板厚(mm) 700
メインモーター(サーボモータ) 3基
床上総高さ(mm) 約8,035
総質量(t) 約294

設備名称 概要
12,000kNブランキングサーボプレス機設備
MODEL;DSF-P4
12000-350-220
SERIAL NO.V2912-0004
12,000kN(加圧能力)ブランキングサーボプレス設備は一度に複数の工程を同時加工する順送機能を有する高精度なプレス設備で、従来のプレス設備に比較すると約1.5倍の生産能力持つサーボプレス設備である。プレス設備の構成は、材料送り装置のコイルラインとブランキング順送サーボプレス機及びコンベヤ設備である。コイルラインはコイルカー、アンコイラー、コイルカッター、レベラー等から構成され、サーボプレス機は金型一体順送加工方式で金型段取りはムービングボルスターシステムとした。コンベヤ仕様は伸縮型ゴムベルト方式で、ベルト幅1,500mm全長、約3,000mmとした。

12,000kNサーボ゙駆動式ブランキングプレスラインは1,200 MPa以上の超ハイテン材料を冷間プレス加工が出来るように、重点的に実施した。そのライン構成は超ハイテン材対応の1830㎜幅コイルカーを含むコイルラインシステムと12,000kNブランキングサーボプレス機及び製品取り出しコンベヤとした。
12,000kNサーボ゙駆動式ブランキングプレスは駆動源をサーボ機構で制御するサーボプレスで、サーボモータの回転をクランクや各種リンク機構を介してラムを駆動する等の構成にした。従来のメカニカルプレス機と比較すると加工工数及び金型寿命で生産性ではそれぞれ約50%向上するだけでなく、サーボ機構による成形速度制御が可能であるため、部品精度や品質の向上が期待される。また環境測面ではプレス機の発生騒音はサーボ機構の導入により極めて低い(約3db)性能となっている。


コイルラインシステム

コイルラインシステムは超ハイテン材料の矯正が極めて重要であるため、材料レベラーのモーター出力(約10%向上)と筐体剛性(約20%)の向上を図りました。コイル段取り時間の短縮を図るため、コイルカーを2台(スキッドカー、シフトカー)装備するとともにコイル材の押え力を向上するなど、生産性向上や安全性を重要視した構成にしました。材料順送フィーダーに関しては、プレス機におけるプログレッシブプレス加工(注記参照)に対応してフィーダーのレリース速度を向上するとともに、1,000mmストロークを持つマイクロフィーダーを設置し生産性を向上させる構成としました。
制御システムは材料順送速度とフィーダーの送り速度並びにプレス速度を最適化する同期システムを有するものとし、このシステムにより生産性向上と省エネ・コスト低減化(約10%)を図った構造としました。
注記 プログレッシブプレス加工;1台のプレス設備に全行程が組み込まれた一つの金型をセットし、コイルラインからコイル材を搬入して、各プレス工程で一定のつなぎ材を残しながら順送し、最終工程でつなぎ材を切り離して製品とする。コイルラインは必要としますが、トランスファー加工のように複雑なトランスファー機構が不要なため生産効率の高いプレス加工法です。

12,000kNブランキングサーボプレス機の構造、特徴

高張力鋼板のプレス加工においてはプレス加工時のスライド速度の影響が重要で、特に冷間プレス加工においては、金型との摩擦抵抗や材料特性等の影響を考慮した高精度のスライド速度を制御する等のプレス成型条件の確立が必要です。AIDA製サーボプレス機においては高精度なサーボドライバー及び高速処理コントローラーにより、最適なプレス金型のプレスモーションを制御できる機構を持たせました。この制御機構による生産性は約50%(40SPM→60SPM)の向上が可能で、金型の寿命を大幅に向上できるシステムとしました。更にプレス加工工程においては、スライドモーションの超低速化や停止する等の加工モード法により、超ハイテン材料に適したプレス加工ができるプレス機です。制御システムについては最新鋭の自動演算システムを搭載し、順送金型の安全性を確保しながら最適速度の設定(パイロットピン位置のティーチング通信機能)ができる金型送り自動演算システムや、高機能ダイ-プロテクションシステムにより、突発的な順送ミスを検知し金型を保護することが出来ます。省エネルギー化とランニングコストに関しては、一次ブレーカーの容量を抑制して回生電流をコンデンサーに蓄え、再利用する大容量コンデンサーシステムにより省エネ化とランニングコストを低減しています。ムービングボルスター装置は、金型の段取り時間の短縮と作業の安全性を図るためボルスター装置を2台装備し、金型段取り作業の効率化と生産性向上を重視した装置にしました。
12,000kNブランキングサーボプレス機

サーボプレス機専用製品コンベヤ装置

本装置は、超ハイテン材料のブランキング加工やプレス加工した製品をプレス機内部より取りだすための装置で、プレス機の後方に設置した。このコンベヤ装置は、テレスコ機能を有し様々な金型サイズに対応できる装置です。この装置は連続運転式機長紳縮型ゴムベルトコンベヤで、製品数を自動カウントする機能を有します。ベルト幅は1,500mm、伸長時3,000mm、テレスコ量は1,000mm、最大質量は150kg等の仕様です。

スクラップコンベヤ装置

スクラップコンベヤ装置は、12,000kNブランキングサーボプレス機でプレス成形加工をする際に発生する製品端材を、自動的にスクラップ材料として図-6に示した装置で搬送する装置です。最大スクラップ搬送量は90kg/分の能力を有する設備です。