実証評価設備

CFRP-金属ハイブリッドプレス技術を利用して車体構造部品のBピラーやセンターブレースのCFRP-金属ハイブリッド化を行い、それぞれの部品の軽量化に伴う要求性能に関する実証・評価が必要です。この実証・評価は主にCFRP-金属界面の接合強度(プラズマ処理仕様)に関する試験(万能試験機による剥離強度等)や動的(衝撃)強度(LS-DYNA)等の解析、更には部品の寸法精度(三次元計測)や内部欠陥(超音波探傷)に関する性能評価と品質評価が重要となりますが、それらを実施するためには評価設備として門型三次元測定機、万能材料試験機、超音波探傷装置、LS-DYNA解析評価装置、プラズマ発生装置が必要となります。これらの評価設備はそれぞれ的確な納入仕様であることを確認(検収)し導入しました。また、この設備を格納するための計測棟は2階建て耐震構造等の建設仕様を確認し、1階に4評価設備を格納する試験室、2階は3D-CAD室や解析・計測室6室を設置しました。なお、このことにより車体構造部品の軽量化が図れ、省エネ化とCO2削減に貢献できます。



三次元計測装置

三次元計測装置イメージ 門型三次元測定機はCFRP-金属ハイブリッド成型部品の寸法精度と成形金型精度の関係を明らかにするための装置です。製品品質性能等を評価するために接触・非接触(レーザー)を備えた三次元測定と、部品構造や金型構造に関するリバースエンジニアリング機能を有する設備として、納入仕様を確認し設置しました。特に高精度を要求される金型の三次元データの取得により、プレス成型加工条件と成型部品精度の相関評価に資する設備仕様としました。現有設備では検査治具等の低レベルの評価でしたが、本設備の導入により高精度な性能評価や品質評価が可能となりました。

門型三次元測定機の仕様としては成形部品の寸法精度やプレス成形金型精度がリアルタイムで可視化ができるように重点的に測定設備仕様の整備を行いました。
測定システムとしては大型定盤と接触・非接触(レーザー)方式を有する高性能な分解能を持つデータ処理システムとしました。この設備仕様により先端的CFRP-金属ハイブリッド成形部品の品質やプレス成型金型の実証・評価が高まるだけでなく、軽量構造部品全般に亘るリバースエンジニアリングによる3D-CAD(ソフト含む)化が可能で製品の研究開発における戦略的設備として極めて有用なものとしました。
また本設備は自動車の大型成型部品(エンジンフード部品等)の計測ができるように測定(2m×3m)能力を広げた仕様としました。
門型三次元測定機の型式;CRYTA-APEX C203020、最新大型ハイブリッド三次元測定機/接触・非接触測定型。(河内鋼機㈱-㈱ミツトヨ)

超音波探傷試験装置

超音波探傷試験装置の特徴

  • 高精度な水墳流式探傷装置(5MHz)
  • CFRP部品の内部欠陥及び金属界面接合状況の探傷
  • 異種材料欠陥や溶接欠陥等の探傷可能
  • 国内最大級の大型超音波探傷装置
超音波探傷試験装置イメージ 超音波探傷装置はCFRP-金属ハイブリッド成型部品やCFRP成型部品の内部欠陥等を非破壊状態で実証・評価を行うものです。特に金属界面の接合状況やCFRP積層内部の内部欠陥を把握して、部品の成型加工条件や金型構造の影響を技術的に評価するために、高精度な水噴流8軸自動制御(5MHZ)方式の超音波設備仕様を確認し設置しました。従来はこのような評価設備を保有していないため、CFRP材料部品の実証・評価が出来ませんでした。本評価設備の導入により部品の要求性能の評価(成型条件による強度・剛性)が的確に出来るようになりました。

超音波探傷試験装置(8軸自動制御式)はCFRP-金属ハイブリッド部品のプレス成形による製品品質を高精度に非破壊で検証・評価する試験装置で、CFRPと金属表面の介在物やCFRP積層材料欠陥の探傷を行うために高精度な水墳流式探傷システムとしました。
また大型複雑形状部品を直接探傷出来るように高性能な超音波(5MHz)プローブを8軸方位に自動制御するシステムとしました。この様な性能を有する大型超音波探傷装置は自動車の軽量化材料部品の検証・評価装置としては国内最高の性能を有するもので、自動車のエンジンフード部品やルーフパネル部品、トランクリッド等の大物・小物部品の評価が可能となる仕様とした。また探傷評価精度が高いため航空宇宙分野の部品評価が出来る装置で先端技術を応用した戦略的装置として広範囲の事業化に適用できる設備です。
超音波探傷装置の構成は機構部(本体)、給水ユニット、超音波発生制御盤(自動制御式機構システム)、8軸超音波探傷プローブ装置,データ処理装置、電源装置等です。
(株式会社KS-NET東日本―株式会社KJTD)

万能材料試験機

試験機の特徴

  • 最大負荷容量400kN~5kN、測定精度±0.4%
  • Tスロット定盤(容量250kN、長さ1.6m×幅0.75m、)設置により現物部品の曲げ、捩り試験が可能
  • 高性能ビデオ伸び計(高解像度デジタルカメラ非接触式光学伸び計)装着
  • 負荷制御・解析装置(引張、圧縮、曲げ)及びデータ処理装置
万能材料試験機イメージ 万能材料試験機はCFRP-金属ハイブリッド成型部品の材料特性や接合強度(プラズマ処理条件と剥離、曲げ強度)及び部品単体の強度試験等を行い、部品の要求仕様を実証・評価するために400KNの能力と、ISO及びASTM基準に則った高精度な大型材料試験機の設備仕様を確認し設置しました。従来は公試センターに依頼して実施していましたが、迅速な対応が図れず苦慮していた。本試験機の導入により軽量化材料(CFRP等)による開発研究部品や生産部品の要求性能を的確なタイミングで実証・評価することが可能となりました。

万能材料試験機(400KNインストロン試験機、5988型)はCFRP材料の機械的特性やCFRP-金属の接合強度(剥離特性)を実証・評価する試験機で特にテストピースによる基礎試験から実物(部品)の評価試験ができるように、250KN容量のTスロットテーブル(1600㎜)を装備した内容としました。また本試験機には搭載カメラにより試験中の映像を撮影し、データ処理装置と同期させて物性変化の可視化ができるような設備仕様としました。高精度な扱いやすい特徴を持った試験機の導入により、CFRP-金属ハイブリッド部品の剥離試験や抗張力試験並びに曲げ試験等を実施し、接合強度や安定的品質の実証・評価が出来るようになりました。本試験機の導入より開発部品や生産部品の要求性能を的確なタイミングで高精度に実証・評価できるようになりました。(インストロン ジャパンカンパニイ リミテッド)

LS-DYNA解析評価装置

LS-DYNA解析評価装置はCFRP-金属ハイブリッド部品(Bピラー部品、センターブレース部品)を主体に軽量化部品の動的(衝撃)強度や静的強度を解析評価するソフトで実験結果との相関性を評価しながら軽量化部品のモデル化(三次元化)を図り、負荷条件を設定して変形モード(剛性)解析や破壊モード(動的、静的)解析を行い、それぞれの要求性能に対する実証・評価をするものです。先端的軽量化部品の研究開発や事業化を実施するにはこの様な動的(静的)シミュレーション解析が必須でLS-DYNA解析評価装置は重要な開発ツールです。解析手法はCATIA搭載PC(既存PC)にLS-DYNA(JVISION Ver3)をインストールし、CATIAソフトで製品のモデル化を行い、プリポスト(JVISION Ver3)でメッシュ密度と負荷条件を設定してLS-DYNAで解析評価するもので、自動車各社では特に構造部品の評価(衝撃強度特性)にはこの様な開発手法を要求されます。CFRP-金属ハイブリッド部品やCFRP部品等の軽量化部品を開発し事業化を実施するために、シミュレーション解析を同時に複数実行し効率的に評価できる仕様としました。(㈱JSOL)
LS-DYNA解析評価装置イメージ

プラズマ発生装置

発生装置の特徴

  • 大気圧プラズマはノズルに供給された気体に高電圧(2kW)をかけて放電させプラズマを発生させる装置
  • プラズマ化した気体はノズル(PFW10)ヘッドより処理材料上に放射され金属やCFRP面の有機物の除去や表面の改質処理に有効
  • CFRPと金属の接合強度を向上させるためにはプラズマによる表面のアンカー効果が有効
  • CFRP部品の塗装品質を向上させるためにはプラズマによる表面処理が有効

プラズマ発生装置イメージ プラズマ発生装置はCFRP-金属ハイブリッド成型部品の接合強度を安定的に確保するために必要であり、プラズマ発生装置による表面処理が極めて重要であることは明確です。接合強度は金属表面の有機物の除去とアンカー効果等による影響が大きく、プラズマ表面処理仕様により左右される。プラズマ発生装置の仕様は出力アップ(2kW)と照射ノズルを融合して、金属表面の優れた濡れ性能を有する設備とした。プラズマ表面処理はロボット自動制御方式により製品品質と生産性を高めた仕様として設置した。従来は群馬大学所有のプラズマ発生装置(1kW出力)を使用して金属表面処理を行っていたが、本設備の導入により高度な先端技術の研究が進むと同時に生産性の向上が図れるようになります。

プラズマ発生装置はCFRP材料と金属の接合強度並びに製品の安定的品質を確保するための装置で、特に金属表面の有機物の除去やアンカー効果による接合強度の強化を行うために、ハイパワー(2kW)プラズマ発生装置とノズルジェットを有する仕様とし、更にCFRP-金属表面をロボットによる自動制御方式にしました。この装置によりCFRP-金属ハイブリッド部品の金属界面の接合強度の安定化や生産品質を確保ことができます。
機種Model Type;FG5002HP(ジェネレータ)、HTR11HP(トランス)、PFW10HP(ノズルジェット)(日本プラズマトリート株式会社-Plasma Treat Gmbh)。